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理事長ブログ:No.68「中小企業白書を紐解く(4)」

「中小企業白書」のなかにも記載されている、具体的方策としての(2)M&A(合併・ 買収)の推進に関して整理する。

白書では、経営者の高齢化の進展等に加え、感染症の影響もあり、2020年の廃業件数は過 去最多。一方、その中には高い利益を生み出す企業も存在。こうした企業の経営資源をい かにしていくかが重要、とある。実際東京商工リサーチの調査でも、経営者の高齢化を背 景にした廃業件数は約5万件と09年比で倍増したとある。
白書は、最近の事業承継の傾向として、従来主流だった「親族間承継」から親族以外の第 三者に引き継ぐ「親族外承継」が増えており、親族間承継に限定せず、意欲のある人材に 事業を引き継ぎ、事業の成長・発展を託したい経営者が増えているとも指摘する。実際こ れは、帝国データバンクの資料だが、2020年の調査で、「同族承継」が、2018年調査時よ り8.5ポイント低下し、34.2%となり、「内部昇格」の34.1%とほぼ同水準だったとの結果 を公表している。
最近のM&Aの傾向として、国が設置した公的窓口「事業承継・引継ぎセンター」(宮城 県にもあり)の相談件数が増えており、2018年以降相談件数は1万件を超え、成約件数も右 肩上がりで伸びているという。
白書は更に、M&Aに対するイメージは向上し、件数は増加。売買双方が事業規模拡大を 目的としている一方、売り手側は雇用維持を目的にしている割合が高い。事実M&A実施 後は多くのケースにおいて、譲渡企業の従業員の雇用は維持されており、M&Aは売り手 側にとってもメリットがあると記述する。
事業承継後の企業の成長率は同業平均を上回る傾向が有り、事業承継が単なる経営者の交 代機会ではなく「企業の発展や成長の転換点であると認識した上で経営に臨むべきである」 と提唱している。(続く)

2021/09/04

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